債務整理をするとどうなる?デメリットはやばい?債務整理のその後や気になる疑問をチェック

2023.10.02
債務整理をするとどうなる?デメリットはやばい?債務整理のその後や気になる疑問をチェック

借金減額や返済猶予、借金免除などの方法で、借金に対する苦しみを救済する制度の一つが「債務整理」です。借金に関する悩みを抱えている方にとっての根本的に借金問題を解決できる手段といえます。しかし、債務整理は誰でもできるのか?債務整理をするとどうなるのか?デメリットはないのか?と不安な方も多いですよね。

そこで今回は、債務整理の種類や条件、メリット・デメリットやリスクについて解説します。債務整理の利用を考えている方は、ぜひ参考にしてください。

次のようなお悩みがある方は必見です。

  • 債務整理とは?デメリットはなに?
  • 債務整理したら携帯が買えない、ローンが組めないと聞いたけど本当?
  • 債務整理するとブラックになるの?もう借入できない?

それでは詳しく見ていきましょう。

債務整理とは?法律に則って、借金を減らしたりなしにすることができる手続き!

債務整理とは、返済猶予や借金減額などの方法を使い、借金の悩みを軽くする手続きのことです。債務整理には年齢制限や収入制限がないため、借金がある方なら誰でも利用できます。

また、対応できる借金額が無制限なので、多額の借金を抱えている方も気軽に相談してください。

債務整理の種類とメリットデメリットとは?任意整理、個人再生、自己破産についてチェック

ここからは、債務整理の種類を詳しく解説します。債務整理には、主に任意整理・個人再生・自己破産・特定調停の4種類あります。過払金請求については債務整理ではないですが、借金救済制度のうちの一つです。

それぞれ特徴やメリット・デメリットを解説するので、借金に関する問題を抱えている方はぜひ参考にしてください。

任意整理のメリット・デメリットとかかる期間

任意整理は、債権者に金利引き直しや借金減額を交渉し、日常生活に支障なく返済可能なように見直す債務整理です。

基本的には減額や利息分の返済免除などが可能ですが、利息以外の元金の支払いは必要です。しかし、毎月の返済額が減るうえに返済期間が延長されるので、借金に関する悩みを軽くできます。

また、任意整理は同居家族に内緒にした状態で手続きを進められます。そのため、借金を減らしたいけれど同居家族に手続きしたとバレたくない方におすすめです。

さらに、奨学金や住宅ローン以内を任意整理する場合は、どの借金を手続きするかの選択ができます。

任意整理は、和解締結までにかかる期間が3ヵ月~半年程度です。個人再生や自己破産より手続きにかかる期間が短くて済むため、できるだけ早く手続きを終わらせたい方にも最適です。

しかし、任意整理は原則として利息のみが減額の対象でなので、大幅が減額はあまり期待できません。手続きを行うとブラックリストにも記載されるので、トラブルを防ぐためにも必ず手続き前に確認してください。

個人再生のメリット・デメリットと特徴

個人再生は、裁判所に借金返済が困難な状況であることを認めてもらい、大幅に減額された借金を3年間で返済する債務整理です。

個人再生の場合は、現在抱えている借金を約5分の1にまで圧縮できる場合が多いです。借金額が5,000万円以下の場合は、最大で10分の1にまで減額される可能性もあります。

また、個人再生の場合は、住宅ローン特例を使えば住宅ローンを払いながらマイホームを所有し続けられます。

住宅ローン特例を使うにはいくつか満たさなければならない条件があるので、使用を考えている場合は事前に確認してください。

なお、個人再生の手続きは、スムーズに進んだとしても1年程度かかる場合があります。

手続きをするとブラックリストに掲載されるほか、3年かけて返済しなければならないので、短い期間で終えたい方には向きません。

さらに、個人再生の場合は奨学金や自動車ローンなど、全ての借金を手続きに含める必要があります。

自己破産のメリット・デメリットと家族への間接的な影響

自己破産は、支払い不能状態であることを裁判所に認めてもらい、借金の支払い義務を免除してもらう債務整理です。

高額な借金を抱えている場合でも借金返済の義務を免除してもらえるため、借金が高額に膨れ上がってしまった方におすすめです。

なお、自己破産をしても就職に支障が出たり戸籍に残ったりすることはありませんが、車やマイホームなどの高価な財産を手放す必要があります。

管財人弁護士がついている期間は、法律によって一定の資格の効力を制限される可能性も高いので注意してください。

さらに、自己破産の場合は全ての債権者を必ず入れなければならないため、家族に秘密にしたまま手続きを進めるのは難しいです。

借金がなくなる代わりに、ブラックリストに載る以外の制限が増えるので、手続きをする際は必ず信頼できる弁護士に相談してください。

特定調停のメリット・デメリット

特定調停は、債務者の申し立てにより簡易裁判所が債務者と債権者の話し合いを仲裁し、借金軽減の合意が成立するように働きかける債務整理です。

債権者の取引履歴を開示し、利息制限法の上限金利によって引き直し計算が行われます。

特定調停は対象とする債権者を選べるほか、他の債務整理に比べて手続きが簡単なのが特徴です。しかし、債権者の中には特定調停に対して協力的ではない場合があります。

また、裁判所に行く手間がかかるうえに手続きを行うとブラックリストに掲載されるので、事前に確認してください。

過払金請求のメリット・デメリット

過払金請求は、借金の対して払い過ぎた利息を変換してもらうために行う手続きです。

個人再生や任意整理の場合はブラックリストに載りますが、完済した借金に対しての過払金請求はブラックリストに掲載されません。そのため、過払い金で借金が完済できるのであれば、ブラックリストに載るのを避けたい方におすすめです。

しかし、返済中の借入先に対して過払金請求を行った場合は、ブラックリストに掲載される可能性があるので注意が必要です。

なお、過払金請求は任意整理と並行して行うこともできます。複数社から借り入れがある場合は、それぞれに対して請求ができるので弁護士に相談してください。

債務整理に共通するメリット

ここからは、債務整理に共通するメリットを紹介します。債務整理ごとに異なるメリットもありますが、いくつか共通しているメリットもあります。

債務整理の利用を考えている場合は、ぜひ以下を参考にしてください。

債権者からの催促が止まる

弁護士から債権者に受任通知が送付されると、債権者からの借金の取り立てが止まります。受任通知を受け取ったタイミングで債権者は返済督促ができなくなるためです。これにより、取り立てのストレスがなくなります。

なお、債権者に受任通知が届いてから停止処理がされるまでの期間は1週間程度です。

債権者への支払いを一時的に止められる

債務整理の手続きが始まると、債権者への支払いを一時的に止められます。債務整理の手続きが終わって返済が開始されるまで支払いが止まるので、生活を立て直すための期間として利用できます。

また、自己破産の場合は借金に対する支払い自体が免除されるので、支払いに追われるストレスを減らせます。

債務整理に共通するデメリット

ここからは、債務整理に共通するデメリットを紹介します。

債務整理に関するデメリットを把握しておかないと、あとからトラブルに発展したり、こんなはずじゃなかったという事態にもなりかねません。

債務整理の利用を考えている場合は、ぜひ以下を参考にしてください。

ブラックリストに載る可能性がある

債務整理を行うと、ブラックリストに載る可能性があります。

ブラックリストに載ると、一定期間キャッシングやローン契約ができなくなります。また、クレジットカードの作成や使用もできません。ポイントを貯めている場合はそれが使えなくなってしまいます。スマホの分割支払いができなくなる場合もあるので注意が必要です。なお、賃貸借契約に影響が出る場合もあるので、手続きは慎重に進めてください。

手続きに費用がかかる

債務整理の手続きには費用がかかります。債務整理にかかる費用の相場は、3万円~7万円です。

裁判所費用は所定が決まっていますが、弁護士費用が弁護士によって異なります。なお、法テラスを利用すると分割払いができたり費用を立て替えてもらえたりできるので、必ずチェックしてください。

債務整理によくある質問

ここからは、債務整理によくある質問を紹介します。あらかじめよくある質問を把握しておけば、実際に手続きを行う際にスムーズに進められます。また、よくある質問の中には重要な情報が含まれている場合が多いです。

そのため、債務整理を検討している方はぜひ参考にしてください。

生活保護を受給していても利用できる?

生活保護は、生活費として給付されているお金のため、基本的に借金の返済には使用できません。

そのため、生活保護を受けている場合は、借金の返済を伴う個人再生や任意整理ではなく、自己破産を選ぶのがおすすめです。

自己破産をすると借金返済の義務から免れられるため、生活保護を受けていても問題なく利用できます。

なお、生活保護を受けている場合は、法テラスの民事法律扶助業務を利用するのがおすすめです。

弁護士の着手金などを費用を用意するのが難しい場合、法テラスの立替制度を利用すれば、法テラスが立て替え払いしてくれて弁護士が着手してくれます。さらに、法テラスの償還免除の手続きを行えば、生活保護受給中はこの返済が猶予されることが多いからです。

費用負担なく自己破産できる可能性があるのでチェックしておきましょう。

クレジットカードは使えなくなる?

個人再生や自己破産の場合は、全ての債権者を対象とする必要があるため、基本的にクレジットカードは使えなくなる場合が多いです。

借金をしているクレジットカードを債務整理すると、即時解約になる可能性が高いです。

なお、任意整理の場合は一部のクレジットカードを手続きから除外できます。しかし、カード更新時に信用情報機関の自己情報をカード会社に確認される場合が多いです。

一部のクレジットカードを手続きから除外しても、時間が経ってから使えなくなる可能性があるので注意してください。

ローンは組めなくなる?

債務整理をすると、5~10年はローンを組めなくなる場合があります。任意整理をしてブラックリストに載ってしまうと、支払い能力に問題があると判断される可能性が高まります。そのため、事故情報が消えるまではローンを組むのが難しいです。

ローンも借金のひとつとして考えられているため、新たにローンを組みたい場合は注意してください。なお、現在組んでいるローンを継続する場合は例外です。

現在組んでいるローンを任意整理の対象に含めなければ、任意整理をしてもローンを組み続けられます。

家や車を手放したくないのであれば、該当する住宅ローンやカーローンをは借金整理から外しましょう。

また、個人再生の場合も、住宅ローン特則を利用できるので、現在組んでいるローンを維持できます。

しかし、自己破産の場合は住宅ローンを没収される可能性が高いです。そのため、現在組んでいるローンがある場合は、弁護士に相談したうえで最適な債務整理を選んでください。

同居家族に内緒に手続きできる?

任意整理の場合は、同居家族に内緒の状態でも手続きを進められます。しかし、個人再生や自己破産の場合は、同一家計の家族全員の家計収支を裁判所に報告しなければなりません。

また、家族の通帳・給与明細・保険証券などを家計収支の裏付け資料として提出する場合もあります。

そのため、同居家族に内緒で個人再生や自己破産の手続きを進めるのはなかなか難しいです。なお、会社の人には自分から言わない限りバレる可能性は低いです。

官報をすみずみまで読んでいたり会社が債権者だったりする場合は例外ですが、それ以外であればバレる心配はありません。

貯金や車などは没収される?

任意整理や個人再生の場合は、貯金を没収される心配はありません。しかし、自己破産の場合は没収される可能性があります。99万円以下の現金であれば残せますが、それ以上の貯金が残せない可能性が高いです。

また、自己破産の場合は持ち家・株主・車なども没収される可能性があるので注意してください。

生命保険に影響は出る?

任意整理をしても、生命保険に影響が出る可能性は低いです。しかし、個人再生や自己破産の場合は、貯蓄性のある生命保険を財産とみなされます。

生命保険には、解約時に掛金が戻らない「掛け捨て型」と保障だけでなく貯蓄の目的も兼ねた「積み立て型」の2種類があります。

積み立て型の生命保険を利用していると、解約したうえで解約返戻金を没収される場合があるので、手続きを考えている場合は必ず弁護士に相談してください。

なお、債務整理を行ったからといって生命保険に加入できなくなる心配はありません。

債務整理を活用して借金の悩みを解決しよう

今回は、債務整理の種類やメリット・デメリットを解説しました。自分の目的に合った債務整理を行えば、借金の悩みを解決できる可能性があります。

また、同居している家族に内緒で手続きを進められる債務整理もあるので、借金に関する悩みを抱えている方はぜひ活用してください。